がらくた開発室
ふと思い立ったり、必要に迫られたりして作ったマニアックもの。
(免責事項)
本ページの内容には高電圧・高圧力を発生する物があります。工作・使用は自己責任で行ってください。
核磁気共鳴(NMR)関係
液体窒素冷却広帯域プリアンプ →説明/回路図('17/11/15 更新)
液体窒素(77K)に浸すことにより、低ノイズになります。
雑音指数(Noise Figure:
NF)は0.4dBを切ります。
10MHz以下では世界最高(多分)。
通常HF-VHF帯では地球の熱雑音や銀河雑音等が大きいのでこれほどの性能は必要にはならないのですが、
低温での核磁気共鳴(NMR)法ではピックアップコイルからの熱雑音が少ないため、
大きな意味を持ってきます。
市販のNMR用常温プリアンプは雑音指数にして1.0dB程度であるので、
このプリアンプを使うと理想的な状況では3倍程度速く測定を行うことができます。
HEMT(High Electron Mobility Transistor, 高電子移動度トランジスタ)を8個!パラレルで使ってます。
>>つづき
Specifications
帯域 1.5-270MHz
雑音指数 0.3dB(10MHz-60MHz)
デッドタイム 2μs以下
リターンロス 約8dB
Qスイッチ →説明/回路図('13/10/24更新)
トップチューニング(Cがプローブ外)の時にLC共振回路の間に挟むことにより、
パルスNMR法でのパルス後の電気的リンギングをコントロールできます。
20MHz以下で高Qの場合に効果大です。高耐電圧で低損失にしないといけないので難しいんですわ。
>>つづき
Specifications
帯域 0.3-30MHz
耐電圧 1kV以上
耐電流 20A程度(パルス)
挿入損失 0.1dB以下
アイソレーション 10dB以上@10MHz
スイッチ遷移時間 2μs
アクティブデュプレクサー('13/10/24更新)
低損失のPINダイオードスイッチです。
ただし、送信電力の高電圧で受信側が勝手にON状態にならないように工夫しているのと、
スイッチ時に余計な信号が殆ど出ないようにしています。
λ/4等が使いづらい低周波域や、超広帯域の周波数スイープをするとき、または
マルチバンドNMRとかに有用です。
回路図
(pdf)。
基板パターン(QSWと共に面付け)
(pdf)。
Specifications
帯域 0.3-200MHz
耐電圧 400Vp-p
挿入損失 0.3dB弱程度
NMRパルス発生器(H8マイコン型) →説明/ソースコード('08/6/24更新)
最初に作ったNMR用パルサーです。
ワンチップマイコン(Renesas H8-3052F)だけで作ることができウルトラローコスト(1万円ぐらい)、かつ十分実用的です。
基本機能は市販品に対しても遜色ないはず。これまでに3台作製。
>>つづき
Specifications
ポート数 16
パルス分解能 40ns
最小パルス幅 1μs
最長パルス幅 6000年ぐらい、少なくとも数時間までは確認済み。
NMRパルス発生器(SH2マイコン型) →説明/回路図/ソースコード('08/6/24更新)
3台目に作ったNMR用パルサーです。32bitマイコン(Renesas SH2,
SH7045F)を核とした、DMA転送方式です。8bitDAC*2による任意波形発生機能つき。
QAMを装備したモジュレータを使ってオフレゾナンスサチュレーションパルスとかいろいろできます。1台のみ作製。
面倒すぎて二度と作る気がしないので命名、「パルサーバカ1代。」
>>つづき
Specifications
デジタル16ポート+任意波形2ポート
パルス分解能 70ns
最小パルス幅 70ns
最長パルス幅 100日ぐらい、少なくとも数時間までは確認済み。
NMRパルス発生器(NI-DAQ型)
第三世代にして現行モデル。ハードウェアは汎用の市販
データ発生/収集ボード
なので、PCと高速通信可能で工作の必要なし。
高速ADコンバータ付きのDAQデバイスをオシロスコープとして組み合わせて使うことにより、
2msのパルス系列周期でも取りこぼしせずに積算できます。リアルタイム性を確保する為に、
パルス発生は3段の深いバッファを用い、DAQmxドライバへのアウトプットとパターン生成は別スレッド動作にしています。
取り込み側のADCは3段バッファ(2段目はリングバッファ)に常時取り込みしつつ、バッファ上
のトリガ位置を計算しています。こちらもIOと積算処理と画面表示は別スレッドです。
ソフトウェアの開発はマイコン(H8/SH2)のクロス開発に比べても非常に大変でした。
動作原理はSH2のパルサーとほぼ同じですが、トリガ条件等に隠された制約が多くて...。
ソフトウェア全体の説明/ソースコードは
こちら、コードブラウズは
こちら。
非磁性部品に関するメモ→メモ('17/3/30更新)
固体物性用NMRプローブ等を作成する際に問題がないか使いようによっては無視できると思われる一般材料と部品に関する資料。
>>つづき
超高圧関係
10GPa超級対向アンビル超高圧セル →説明/ 設計図('14/2/10更新)
試料体積を格段に大きくとれる高圧発生非磁性小型クランプセル。
10GPa(10万気圧)超クラスの装置としては、ロードに対する体積の効率が世界最高(多分)。
既存の小型高圧装置はNMRには試料体積、静水圧性、磁性、セルサイズの観点から使用できない為、新規開発しました。
くぼみつき非磁性WCアンビルとNiCrAl合金製の特殊形状ガスケットの組み合わせで試料体積を稼いでいます。
ガスケットがメタルなのでテフロンカプセルが不要で、液体/気体圧力媒体の封じ込めが確実にできます。
φ29版はφ60ボア径、φ22版はφ38ボア径を持つマグネット内で2軸回転機構に装着することが可能です。
>>つづき
Specifications
非磁性、グリセリン/アルゴン等圧力伝達媒体対応。ルビー蛍光可能。多配線対応。
セルサイズΦ29x42mm版 ― 14 GPa(14万気圧)@21トン、試料体積7mm3
セルサイズΦ22x34mm版 ― 8 GPa(8万気圧)@9トン、試料体積5mm3
液体アルゴン封入加圧装置 →説明/ 設計図('09/6/21更新)
超高圧対向アンビルクランプセル全体を温調することにより確実に液体アルゴン(沸点87.3K,
凝固点83.8K)を圧力伝達媒体として封入できる。
アルゴンのような希ガスは固体状態でも柔らかい為、10GPa程度でも高い静水圧性を保つことが知られています。
断熱のためジルコニア製ピストン/プレス台を使用し、ピストンと同軸上にクランプ用の回転軸を導入しています。
>>つづき
その他
回転式管状雰囲気2ゾーン電気炉→説明('11/7/31更新)
金属間化合物のフラックス法単結晶育成に真価を発揮する予定の、高温雰囲気SiCマッフル炉。
炉室全体をステンレスの筐体で覆っているので、多孔質炉心管で雰囲気炉が作れて経済的です。
炉心管を通しての酸素透過の心配がないので、長時間の結晶育成に向くと思われます。
また、回転式なので、フラックスの分離が簡単にできます。
あと、マッフルのおかげで消費電力が少なく、エコです。昨今の電力事情にもやさしいです。
縦方向温度勾配の付加によって、NMR測定用の大型単結晶育成を行う予定。
>>つづき
Specifications
常温〜1400℃(最高限界温度1600℃)
炉室φ30x170(2ゾーン)
省エネ(1200℃キープ時500W)
自動化対応測定プログラムKAME →説明/ソースコード('23/6/25更新)
C++で書いたマルチスレッドな測定用プログラム。
自分の固体NMR研究に使ってますが、特にNMR専用という訳ではなく汎用です。
対応している測定器の組み合わせならばプログラムの変更が必要ないようになっています。
グラフ表示が速かったり、測定をRubyスクリプトで自動化できるのが特徴。
マルチプラットフォーム(Mac OS X/Linux/Windows)。
>>つづき
Features
一般
マルチスレッド(同期に
ソフトウェアトランザクショナルメモリ使用)
OpenGLによる高速なグラフ描画
スカラ量(温度、電圧等)の組み合わせは任意にグラフ化可能
ほぼすべての設定等の保存/読み込みが可能
Rubyスクリプトによりほぼすべて制御可能
通信エラー等は例外捕捉により安全に処理
装置からの取得データを全記録/後日再解析可能
NMR部分
National Instruments社の
DAQ
デバイスをパルサー/オシロとすることができる
FFT/MUSIC/MEM等によるリアルタイムスペクトラム解析
緩和曲線(T1, T2, Tst.e.)もリアルタイムフィット
フーリエステップサムによる磁場/周波数スイープスペクトル測定
緩和・スペクトル測定において測定後でも窓関数(畳み込み)選択可能
電圧平衡型V-Iコンバーター →説明/回路図('12/1/25更新)
極低温で低抵抗とかを測る場合は、直流より交流の4端子測定で測った方が都合がいいです。
V-Iコンバーターとはロックインアンプのアウトプットの交流電圧を交流の定電流に変換する装置です。
このコンバーターは、電圧に関して差動になるようにしています。
単に高抵抗を直列にして疑似電流源とするのに比べ、配線抵抗が非測定抵抗よりも大きい場合に効果があります。
>>つづき
Specifications
電流確度 0.1%
電流雑音密度 20pA/√Hz.
安定度 10ppm/℃
DC電流オフセット5nA